新築or中古 それぞれの特徴

みなさまこんにちは。

今回は「新築or中古」についてお話ししたいと思います。(マンションメインでお話しさせていただきます。)

まずみなさんがマンション購入と考えた際に、早速すぐに2つの選択肢が出てきます。1つ目は【新築マンション】。そして2つ目は【中古マンション】。

この2つの選択肢は新居探し自体を大きく左右する非常に重要なポイントとなります。みなさんもきっと同じだと思いますが、日常生活をする上では、家電や道具など一般的には新しいものの方が価値が高く好まれる傾向があります。私も同じ値段で新品テレビと中古テレビが売っていたら迷わず新品を購入することでしょう。ただし、不動産の場合はそんなに単純なものではございません。どちらにもメリット・デメリットが存在し、向いている人・向いていない人が求めているものによってはっきり別れます。それぞれの違いをきちんと理解した上で、ご自身の求めている条件に合致する方を選べば良い結果に辿り着くと思います。

 

<新築分譲マンション>

不動産会社がマンションを建設できそうな土地を購入します。そこへ、実際にマンションを建設します。そして、各部屋ごとに値段をつけホームページや広告等で大々的に宣伝活動を行います。そして、多くの場合はマンション建設地の近くに「モデルルーム」を作り、実際に使われる設備や部屋の様子を見学することができます。

また、販売のタイミングとしてはマンションがまだ建築されていない状態で販売開始されるものと、実際に竣工(完成)されてから販売するパターンがございます。ただ、多くの場合は竣工前からの販売が多く、大規模なマンションであればほぼ100%くらいの確率で竣工前からの販売となることでしょう。

売主=マンションを作った不動産業者(デベロッパー)

a.メリット

・マンションによっては、無料でカラーや間取りを選べるセレクトオプションがあるところも

→インテリアカラーや間取りの変更は原則リフォーム業者に依頼するものです。ただ、セレクトオプションでは、いくつかある選択肢の中から好みに合ったものをセレクトできる場合があります。もちろん有料の場合もあり、なかにはセレクトオプションがない(時期によっては終了している)物件もございます。

・原則同時期に一斉入居するので、基本的には近所トラブル等はない

→全体もしくは棟ごとに、引渡し日が定められており、未購入住戸を除き原則一斉に入居します。そのため、長年住んでいる感じの悪い人等は入居時点ではいません。お互いにこれから始まる新居生活を楽しみにしている、明るい方が多いことでしょう。

・不動産業者から直接購入するので、引渡し後の設備補償等が比較的手厚い

→新築マンションの売主はマンションの建築主である不動産業者です。各社サービス内容は異なりますが、引渡し後の設備保証期間は長いことが多く、定期点検等もございます。

・部屋のファーストオーナーになれるステータス

→住戸の最初のオーナーになれるのはこの機会以外にはございません。マンション所有をステータスの一種として考える人には1番と言ってもいいくらいのメリットでしょう。

・住戸内の設備・間取りが最新のトレンド

→設備や間取りには、時代によってトレンドがあります。設備を製作しているメーカーも常に新しい商品を開発していくので、使い勝手が良くなることが期待できます。間取りに関しても廊下幅や水回りの位置などライフスタイルに合わせて常に移りゆくものです。最近でな、働き方の変化により、従来は納戸となっていたようなちょっとしたスペースを作業可能な「テレワークスペース」とする間取りの工夫をしているマンションが多いですね。

・中古売買に比べて諸費用が安い

→新築物件購入時に発生する主な諸費用は以下の項目です。住宅ローン諸経費(事務手数料、保証料、提携ローン利用料等)、登記費用、管理費・修繕積立金一時金、印紙税、不動産取得税、火災保険料等です。中古物件の仲介取引ではこの項目に加え「仲介手数料」が発生するので、同じ価格の物件を購入する場合は基本的に新築分譲マンションの方が安い諸費用となります。

・中古物件に比べ、住宅ローン控除等の補助制度が適用しやすい

→一部例外もありますが、中古物件売買(個人が売主)に比べると、新築購入では約倍の金額の住宅ローン控除を受けることができます。これは、売主(不動産業者)が消費税の課税業者であることによるものです。

 

b.デメリット

・建物竣工前に販売開始となる場合が多い。そのため、実際の建物を見ずに購入しなくてはならない。

→多くの場合は建物竣工前に販売開始となり、人気物件であれば竣工前に完売となることも多くあります。竣工後に販売する物件もありますが、大規模マンション等はほぼぼぼ竣工前販売でしょう。モデルルーム見学である程度はイメージすることができますが、広さ・眺望・日当たりを実際に体験することはできないので、知識が少ない人ほど想像との乖離が生まれてしまいます。不動産業者としても様々なツールを使いできる限り実際のイメージができるよう努めますが、少なからず想像と違う箇所はあると思っておいた方がいいと思います。

・契約から引渡しまで比較的長い期間を要する。

→物件によっては短い場合もありますが、引渡しが数年後ということもしばしばあります。これは様々なリスクに繋がる場合があります。例えば、現時点で最適な選択肢だと思った物件を契約しましたが、引渡しのタイミングまでにさらに良い物件が販売されているかもしれません。また、天災地変等でそもそも予定した時期から引渡しが遅れてしまうことだってあります。(まさに、「晴海フラッグ」というマンションは東京五輪遅延の影響で引渡しも約1年ほど遅延しました。)その他リスク例:勤務先業績悪化・収入減少、市況の変化、家族人数の増減等

・手付金額が高いことが多い

→不動産業者や物件により異なりますが、大体売買金額の10%程度を手付金として現金で支払うことが多いです。5,000万円の物件では500万円もの金額を支払う必要があるので、家庭にとっての負担は大きいはずです。(フルローンを組めば決済時には手付金分も戻ってきますが、一時的にでも現金で用意できない場合は契約することすらできません。)また、手付金分の金額を本来は他の運用に回せたと考えると、機会的な損失にもなります。

・比較できる物件が少ない

→新築物件は同じエリアで何件もの物件が同時に販売されることはあまりありません。(そもそも土地には限りがあります。)そのため、住みたいエリアが決まってる人には比較できる物件が無く、よく検討できないまま購入することとなってしまいます。

・物件価格が高い

→建物の築年数は物件価格に大きく関わります。当然ですが新築物件は価格が中古よりも高くなることが多いでしょう。(まったく同じ物件は存在しないので単純に比較することはできませんが...)。

・人気物件は抽選販売となり買えないこともある

→新築物件は基本的には販売を第1期、第2期というように期ごとに分けて販売します。(完全先着順の物件もありますが)。そのため、例えば201号室を買いたい人が複数人いれば抽選販売となります。最上階住戸、角部屋、割安な部屋等の人気が高い部屋は買いたくても買えないということが起こってしまいます。

 

<中古マンション>

中古マンションの主な取引形態は仲介取引となります。不動産業者は買いたい人と売りたい人の仲介をする立場であり、物件を所有しているわけではありません。あくまでも売主は、その物件を保有している個人となります。(法人の場合もありますがわかりやすくするために一旦触れません。)

仲介業者は売主へ取引を成立させるために必要な専門的な知識を提供し、実際に販売活動を行います。ただし、売買価格等の条件を決定するのはあくまでも売主です。仲介業者は、購入検討者の希望している条件を売主へ伝え、売却条件と一致した場合に取引成約となります。売主が個人であるがために幅広い部分に融通が利く場合もあれば、反対に細かいところでも許容できない場合があります。そういったところが新築マンション の購入とは大きく違い、面白い部分でもあると言えるでしょう。

a.メリット

・選択肢が多い

→中古物件の何よりも最大のメリットとしては、圧倒的に選択肢が多いところです。(単純に販売されている物件数が新築よりも圧倒的に多いです。)また、選択肢が多くあるので、希望条件に合わせて調整をしやすいです。例えば何よりも価格を重視する場合は、立地や築年数制限を緩くすることで価格帯を調整できますし、さらに物件としてのグレードによっても調整することができます。価格、立地、築年数、グレード、規模感、ブランド等のあらゆる項目を建物内だけではなく物件として選択できるので、検討の幅が大きく広がります。

・実際に部屋の中、建物内を内見した上で判断することができる

→中古物件では実際に部屋の中や建物内を見ることができるのも大きな特徴です。間取り図だけでは感じ取れない部屋の開放感やリビングからの眺望を実際に確認することができます。また、室内だけではなく、エントランスや廊下、ゴミ捨て場等の共用部を見ることで管理状況の良し悪しを確認できることも魅力の一つです。

・住戸内を自分好みにアレンジしやすい

→資金面に余裕のある方は別ですが、新築マンションを購入し、入居する前に全てリフォームしようと考える人はほとんどいないはずです。(全て綺麗な状態にも関わらずリフォームするのは勿体無いので)。その点中古物件では、ある程度築年数の経っている物件であれば、入居前に最低限のリフォームは必要となります。元々大規模なリフォーム前提で検討している方にとっては、物件価格を抑え、その分をリフォーム費用に充てられるので総費用を抑えることができるはずです。また、室内状況の悪い部屋であれば、場合によっては値引き交渉の余地もあり、あえてそういった物件を検討するのも面白いかもしれません。

・引渡しまでが早いことが多い

→基本的に仲介取引では売却活動を3ヶ月〜6ヶ月程度で想定します。そのため、購入検討者は探し始めてから比較的短い期間で実際に入居することができます。ライフスタイルの変化に合わせて素早く対応できることがメリットの1つでしょう。(実際の物件引渡し日は売主と相談の上決定します。むしろ、入居時期も取引条件の1つと考えておきましょう。)

・売買価格を含め取引条件を交渉できる場合がある

→もちろん全ての場合ではありませんが、取引条件の交渉ができる場合があります。具体的には売買価格、物件引渡し日、手付金額等の細かい部分についてもご自身の希望を伝えることができます。物件によって一律で決まっているわけではないからこそ、売主の人物次第で取引内容も大きく変わってくることでしょう。

 

b.デメリット

・中古という見えない部分に不安がある

→中古物件の1番のデメリットとも言えるのではないでしょうか。特に深い理由はなく、中古というものに抵抗がある方もいるかと思います。この気持ちは理屈で変えることは難しいので、思い切って新築物件のみに絞って検討した方が良いかもしれません。(それでも一度本記事を読んで違いをご理解いただいたうえで決定いただけると嬉しいです。)

・取引のスピード感がとても早い

→仲介取引はみなさんが想像しているよりもかなり早いスピード感が求められます。基本的には実際に内見した日には、購入の気持ちを固めるものと考えておいた方がいいでしょう。しかし実際は、高額な買い物であるために、何件も内見をしてイメージが湧いている方の場合でも即断即決というのは中々できるものではありません。ただ、良い物件だからこそ早く意思を固めないと他の検討者が先に購入してしまう最悪な結果にも繋がってしまいます。不動産業者の担当者にとってもいつ誰から申込が入るかは想定できない部分もあるので、「早めに決断してください!」と急かされる状況も起こります。このようなスタイルが苦手な方にとっては、新築マンションの方が向いているかもしれません。(もちろん物件、営業担当者等によって状況は様々なので一概には言えませんが...)

・諸費用が高い

→新築マンションの項目で上述しましたが、不動産購入にあたっては諸費用が発生します。新築マンションと大きく違うのは、管理費・修繕積立金・固都税の清算金、仲介手数料が発生し、反対に管理費・修繕積立金の一時金は発生しません。この中でやはり仲介手数料が高額であるために、仲介取引の方が基本的に諸費用額は高額になります。

・仲介業者、営業担当者の当たり外れが激しい

→新築マンションの分譲業者(ディベロッパー)に比べると仲介業は規模の小さい会社でも参入できるため、中には不誠実な業者も一定数存在してしまいます。また、仲介業者の営業スタイルは基本的にはチームプレイではなく個人プレイの方が多いです。そのため、営業マンの実力にはかなりの個人差があり、接し方や知識で不満を覚えることもあるかもしれません。ただ、もちろんしっかりとした信頼のできる営業担当者もたくさんいますので、この記事で得た知識を活かして良い営業担当者かそうではないかをご自身の目で見極められるようにしてください。

 

結論

【新築分譲マンションに向いている人】

・中古というものに抵抗がある人

・購入を検討し始めてから入居するまでに時間的余裕がある人

・実際の部屋を見なくとも、広さの感覚や使い方を具体的にイメージできる人

・住みたい時期に住みたいエリアにたまたま良い物件を見つけることができた人

 

【中古マンションに向いている人】

・住みたいエリアが限定されている人

・自分で最低限の知識を身につけ、素早い判断ができる人

・自分の好みの部屋へリフォームしたい人

・なるべく物件価格を抑えたい人

 

以上で今回のテーマは終了です。

だいぶ長い文章となってしまいましたが、不動産購入は複雑なことが絡み合う難しいものですので、これでも全て記載できているわけではありません。

今後は細かいテーマごとに分けて書かせていただきますので、定期的にお読みいただけるととても嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(この記事も読みやすいよう細かい部分を適宜修正させていただきます)