不動産購入①物件検索(仲介)

☆①インターネット、チラシ、店頭などで気になる物件を検索。
②気になった物件について不動産会社へ問合せ(資料請求、内見希望)
③実際に内見
④購入する意思が固まったら「購入申込書(買付)」へ記入。あわせて、「住宅ローン事前審査」へ申込。
⑤売主が「購入申込書」内容について承諾&「住宅ローン事前審査」の承認
⑥日程を決定し、「重要事項説明」及び「売買契約」の締結
⑦「住宅ローン本審査」へ申込&承認
⑧住宅ローン利用銀行との「金銭消費貸借契約(金消)」の締結
⑨残代金支払い(決済)&鍵の引受け(物件引渡し)

①まずは物件探しからスタート!
物件を探すと言ってもどのように探せばいいか分からない方も多くいるかと思います。
具体的には以下の方法が挙げられます。

・一括検索サイト、アプリで探す
→1番メジャーな検索サイトとしては、みなさん1度はお聞きしたことがあると思いますがSUUMO(スーモ)」です。私が仲介業を行っていた頃も圧倒的に問合せの数が多かったです。人気の理由としては、まず物件数の豊富さです。ほとんどの不動産会社がSUUMOと提携をしており、取り扱っている不動産の大部分をSUUMOに掲載します。また、SUUMOでは写真の枚数・魅せ方、文字数の多さ、レイアウトの多彩さもあり、物件の魅力をより感じられるように工夫されています。だからこそ「まずはSUUMOから探しましょう!」と言っても過言ではないほど便利なサイトであり、個人的にも非常におすすめです。
ちなみに、他にも「at home」や「HOME'S」というサイトもあり同様に検索することができますので、使い勝手の良いサイトをご利用ください。

・仲介業者のHPから検索
→こちらはSUUMOの検索方法と大部分は同様です。ただし、こちらのHPに掲載している物件数はSUUMOに比べると少なくなります。なぜなら、仲介業者のHPは自社の取り扱っている物件、提携している不動産業者の扱っている物件しか原則掲載していないからです。では、「使う意味がないね。」と思われるかもしれませんが決してそんなことはございません。以下のメリットがありますので、特徴を理解して上手く活用してください。

a.自社グループ会社が分譲したブランドを検索できる
→こちらの検索方法は意外と便利です。例えば、「野村不動産ソリューションズ」という仲介業者が運営する「ノムコム」というサイトでは、グループ会社である「野村不動産」が過去に分譲した、「プラウド」、「オハナ」等のブランドに限定して検索することができます。(「三井のリハウス」であれば「パークシリーズ」、「住友不動産販売」であれば「シティシリーズ」等)。探すことに慣れてくると、同じエリアのマンションでもブランドによって価格が大きく違う場合があることに気づくと思います。それは、ブランドとしての知名度があれば、資産性の高さ・安定性にも繋がると考える人が多いため購入検討者が増え、結果として物件価格が上昇するためです。各社コンセプトにしていることや特徴が違うため、気に入ったブランドがありましたらぜひ仲介業者のサイトを使ってみてください。(全社のHPを調べたわけではないので保証はできませんが、大体過去に分譲した物件の検索機能があると思います。わかりづらいページにあることもございますので探してみてください。)

b.物件情報をSUUMOより詳細に入力している場合がある
→仲介業者は基本的にはSUUMO、自社HPのどちらにも物件情報を掲載します。ただし、仲介業者がSUUMOに掲載するためには料金を支払う必要があります。実は、SUUMO掲載枠は細かく料金設定によりパターン分けされており、料金が高い枠ほど写真数を増やせたり、検索ページの上位に表示することができたり、レイアウトを自由に設定することができる等のメリットがあります。(中には無料の枠もありますが、デメリットが多くあまりメインとして使っている業者は多くないでしょう。)
仲介業者の販売に充てられる費用も無限ではないので、販売活動しているすべての物件をSUUMOの最上位枠に掲載できるとは限りません。優先度の高い物件から上位の枠に登録するはずです。ただ、自社HPであれば費用もかからず可能な限り物件情報を伝えられるよう最大限のアピールができます。例えば、パノラマ撮影や家具配置シュミレーション等を掲載している物件も中にはあります。このように、同じ物件でもサイトによってはより物件情報の豊富な場合もあるので、SUUMOと併用してHPを活用いただくとをおすすめします。

c.住みたいエリアに実際に行き、外観や立地、雰囲気の良さそうな物件を目で見て探す
→検討エリアがある程度定まっており、距離的にも近い場合にはこの方法もおすすめです。
各種サイトやマップアプリ等でも建物外観を確認することはできますが、実際に目で確認することで少なからず異なった印象を受けるはずです。建物のデザインや規模感、駅までの道のりを重視する場合は、この方法もかなり有効だと思います。街中で気になった物件があったら何かにマンション名だけでもメモしておくといいかもしれません。

d.仲介業者へ訪問・問合せをして物件を紹介してもらう
→内見の問合せの時には必ず仲介業者へ問合せをすることになりますが、物件探しの段階で問合せをすることも有効な手段です。電話やネット問合せでは、営業担当者もみなさんのことをまだよくわからない段階なので、正直ピンとくる物件は紹介してもらえないかもしれません。真面目に物件を紹介してもらいたいときは、直接店舗に訪れ希望条件等を細かく伝えたうえで紹介してもらうことをおすすめします。(準備する時間が必要なので、可能な限り来店予約をしていきましょう。)
ただこの方法は、まさにこれから物件探しを始めるタイミングであり、不動産に関する知識がまったくない方に向いている方法です。個人的には、まずは自身でネット検索をして物件を内見し、その流れで営業担当者に良い物件がないか紹介をしてもらう方法が1番良いと思っています。不動産のプロに紹介してもらうことで、自分だけでは気づけない自身のニーズや、違った視点から考えることができるので、検討の幅を正しく広げ、さらにそこから絞り込むことができると思います。
また、知っておいていただきたいことが1点ございます。それは、仲介業者が扱っている物件は、SUUMO及びHPに掲載している物件がほぼ全てだとお考えいただきたいということです。「ネットに掲載されていない何か良い物件はないですか?」としばしば問合せがありますが、売買仲介業の特徴を知れば、ネット掲載していない物件はほぼないということをご理解いただけるかと思います。(下記※1.2)で記載します。そのため、ネット掲載されていない物件目当てだけで不動産業者へ問合せすることはあまりおすすめできません。もし、誰よりも早く情報が欲しいのであれば、「〇〇マンション」が新しく売りに出されたら早めに教えてほしいというように依頼をしておく方が良いかと思います。

※1
まずは、売買仲介における「仲介手数料」のお話です。仲介手数料は仲介業者にとっての唯一の収入です。簡単に言えば、手数料から販売活動にかかった費用や人件費等を差し引いた金額が利益となります。
仲介業者は手数料額を最大にすることが第一の目的ですが、手数料額の上限は下記の通り宅建業法により定められているので自由に設定することはできません。
仲介手数料=(物件価格×3%+6万円)+消費税
(上記は物件価格が400万円以上の場合ですが、本記事では都心物件を基準に記載しているので、400万円未満の場合は省略します。)

例 物件価格5,000万円で契約した場合
→(5,000万円×3%+6万円)+消費税=171万6,000円となります。

続いて、1つの仲介取引に関わる顧客と仲介業者の話です。これには大きく分けて下記の2つのパターンがあります。

a.仲介業者が1社の場合:売主、仲介業者、買主
→この場合、仲介業者は売主と買主どちらの仲介も担当するので、物件の売却活動も行いますし、買主の購入活動も行います。業務量は多いですが、仲介手数料は売主と買主どちらからも受け取ることができます。
ちなみに5,000万円で契約が成立した場合、売主から171万6,000円、買主から171万6,000円で合計343万2,000円も受け取ることができます。

b.仲介業者が2社の場合:売主、仲介業者A(売仲介業者)、仲介業者B(買仲介業者)、買主
この場合、仲介業者A,Bはそれぞれ売主か買主のどちらかを担当します。A,Bは共に1つの取引を担当する共同仲介という立場になりますが、実際にはそれぞれ担当する顧客とのみ直接連絡を取るので、相手方の顧客と直接連絡を取ることはございません。
ちなみに5,000万円で契約が成立した場合、売仲介業者Aは売主から171万6,000円、買仲介業者Bは買主から171万6,000円を仲介手数料として受け取ることができます。

上記から見てわかるように、1つの取引で利益を最大にするためには仲介業者は1社のみである必要があります。これを一般的に「両手(両手仲介)」と呼びます。(売主・買主両方から手数料を受け取れるため)。反対に、仲介業者が2社の場合は「片手(片手仲介」と呼びます。

※2
仲介業者は、自社で売却活動を行っている物件(自社物件)を「レインズ」という不動産会社専門の不動産情報サイトに掲載します。仲介業者は、他社が売却活動を行っている物件の情報は、このレインズというサイトで検索します。そこで良い物件があれば掲載している業者へ連絡し、内見の日程を決め、実際に顧客を案内することになります。
ただし、レインズに掲載されている物件数はSUUMO等のサイトに掲載されている数に比べたら少なくなるはずです。(掲載物件数は把握していませんが、良い物件ほどレインズには掲載されていない可能性があるという意味です。)
それはなぜかと言いますと、仲介業者はできる限りレインズには自社物件を掲載したくないからです。ただし、売却活動の依頼方法にもよりますが、売主が売却依頼の契約をした日(媒介契約を締結した日)から7日〜14日以内にレインズへ掲載する義務があります。そのため、一時的にですがSUUMOに掲載している物件がレインズには登録されていないという状態が発生するのです。(つまり、仲介業者がSUUMO等のサイトに掲載していない物件を取り扱っていることはほぼないということです。)

ここまでご理解いただければ残すは最後の段階です。
仲介業者はレインズにできる限り掲載したくないと上述しましたがなぜでしょうか?
それは、レインズに掲載してしまうと、自社物件に他社から内見の問合せが入ってしまうからです。
両手で成約させる大原則としては、自社物件に顧客から直接問合せを受け、内見を行い成約させる必要があります。まさにSUUMOやHPが顧客からの直接問合せを期待できる重要なツールなので、レインズに掲載する前に先行して掲載することになるのです。

結論として、仲介業者が取り扱っている物件はほぼ全てネット上で公開されているため、仲介業者が非公開物件を多く抱えていると期待をするのはやめましょう。ただし、売却依頼を受けた直後でSUUMO等のサイトに公開する前の物件情報がある可能性はございます。もし、人気物件を検討していて売物件が出たらすぐにでも内見したいという気持ちがあるのであれば、あらかじめ仲介業者へ連絡しその強い気持ちを伝えれば、ネット掲載前の情報を優先的に連絡がもらえるでしょう。

⇒結論

物件探しはまず「SUUMO」を使いましょう。
そしてブランドにこだわりが出てきた場合は、各社HPも合わせてご利用ください。
また、購入検討マンションが既に定まっている場合は、情報を早くもらえるよう仲介業者に事前に問合せをしておくことをおすすめします。

今回は以上となります。
次回は、物件検索後の問合せ方法について書かせていただく予定ですのでよろしくお願いします。
ご覧いただきありがとうございました。